昨日の往路に引き続き本日も好天。
まずは北岳登頂を目指していざ出発。
■06:15 北岳山荘を出発

山頂に近づくにつれて斜度が上がっていきます。
■06:55 池山吊尾根分岐を通過

風はとても強く、顎紐を締めておかないと帽子があっという間に飛ばされそうな感じ。

踏み外したらどこまで転がり落ちるのか分からないような所もありますが、ちょっと危険なところにはこのようにホールド用の鎖も設置されており、天候が良ければ危険は少ない登山道です。
強風地帯を早く通過したいので、あまり写真を撮らずに進みます。
■07:16 北岳頂上(標高:3193m)に到着

目の前には仙丈ケ岳、その左奥は伊那谷を挟んで中央アルプスの山々。
さらにその奥は乗鞍でしょうか。

北岳山頂は風も弱く快適でしたので、リュックを降ろして写真撮影タイム。

20分近く休憩して、7:35に北岳肩ノ小屋方面へ向けて下山開始。

肩ノ小屋への下りは足元がザレていて滑りやすい状態でゆっくりと下ります。
■8:10 北岳肩ノ小屋へ到着


間ノ岳に足を伸ばしておいて良かったです。
■8:48 大樺沢二俣への分岐点を通過

ここからは草すべりの急下降が白根御池小屋まで続きます。

樹林帯の中は景色が単調なこともあり足に堪えますね。
前回の笠新道でばてた反省から、こまめに水分と飴でカロリーと塩分を補給しました。
このナナカマドの実は、昨日撮ったものとは違い丸っこいですね。
こちらが普通のナナカマドでしょうか。
■9:46 白根御池小屋に到着

また、K氏によるとトイレもとても綺麗だったとのこと。
ここからまだまだ下りが続くので30分近く休憩して10:19に出発。

樹林帯に入ってからの急下降はこれでもかと続きます。
リュックを下ろす際に、広河原と書かれた標識に頭をぶつけてしまいました。
10分くらい休憩して、リュックを担ぐ際に再び同じ場所に頭をぶつけました。
アホがさらに悪化してしまう...
■12:12 広河原帰着

南アルプス天然水の団体さんが音をたてて流れる野呂川に架かるつり橋を渡ればバスターミナル。
芦安行きのバスは14:00までありませんので、帰路も乗合タクシーを利用しました。
北岳山荘の窓から外を確認すると今日も天気に恵まれそう。
高山の楽しみの一つは夜空なのですが、ちょうど中秋の名月にあたるので星は期待できません。
夜明けの富士山でも撮ってみようと、防寒具に身を包み三脚を抱えて表に出てみました。
ちょうど第1薄明が始まる時刻。
明るい月に照らされる北岳。
テン泊の方達は明かりをつけて行動準備を開始しているようです。
北岳山荘のテン場は、山荘のすぐそばにあるので、お手洗いや水汲みにはとても便利ですね。

オリオン座方向の夜空。
第1薄明時は6等星が見分けられなくなる明るさらしいですが、どうでしょう?
私にはどの星が何等星やらさっぱり分かりません。

第2薄明が始まる時刻の富士山と街明かり、かすかに星も残っています。
街明かりは中央市でしょうか?それとも甲府市?

北岳山荘での日の出は5時27分でした。
全然雲がないので、なんかあっさりめの夜明け風景。

富士川の手前と奥にある低山の上に聳える富士山の夜明け風景。
あちらの方がここよりも800m以上高いように感じられないのが不思議。

さあ、今日は頑張って北岳に登るぞっと。
標高第2位の北岳(3193m)と第4位の間ノ岳(3189m)を1泊2日で効率よく巡るために以前から考えていた計画は、
・芦安と広河原間のバスも、稜線上の2つの山荘も、とにかく混雑するらしいので平日に行く。
・大樺沢ルートの雪渓が減って夏道が歩ける時期に行く。
・登りは北岳山荘へ最短コースの大樺沢、八本歯のコル、北岳トラバース道を使い、1日目に間ノ岳を登頂しておき、北岳山荘泊にする。
・1日目に間ノ岳をこなしておけば、2日目は時間に余裕ができるので北岳を登頂後、登りとは違うコースの小太郎尾根、草すべりと白根御池小屋経由のコースを楽しみ下山する。
という感じ。
同行のK氏共々9/18,19に平日山行が可能となったので、2人で計画を実行と相成りました。
台風18号の通過後だったので大樺沢コースが通行止めになっていないかが懸念点。
通行止めだと、間ノ岳に登頂するには北岳を往路と復路で2回越えなくてはならず時間的に厳しくなってしまいます。
無理ならば北岳を優先して間ノ岳は次の機会にという心積もりで行ってみましょう。
尚、登山道の状況は不定期更新のようですがこちらで確認できるようですね。
■06:30 広河原をスタート

南アルプス林道の夜叉神にあるゲートは5:30まで開かないようなので、朝に芦安から広河原へこれ以上早く移動する方法は無いようです。
バスだとこの日は6時が始発となっていて、すこし慌ただしい初日の行程になってしまいます。
乗合タクシーでもバスでも料金は同じで利用者協力金(100円)を含めて、片道1,100円でした。
タクシーの順番待ちは、乗り場にあるプレハブ小屋の前にリュックを並べて置いておけば良いとのことでしたが、9人乗りのタクシーがたくさん来ましたので平日だと順番取りは不要でした。

右手に見える野呂川に架かるつり橋を渡り、正面の大樺沢を登っていきます。
もっと早い時間に登り始めるには、つり橋を渡ったところにある広河原山荘に前泊しておけば良いようです。
■07:01 白根御池小屋への道を分かれ、左の大樺沢コースへ進みます。

大樺沢コースは通行可能なようで一安心。


幾度となく北岳山頂が見える良いコースですね。
空は雲一つない快晴!


高度を上げるにつれて登山道は岩やザレ場に変化していきました。
2時間歩いても北岳はあまり近づいた感じがしません。
スケールの大きな山ですね。

この辺りの登山道は踏み跡が幾つかあり、歩きやすそうなところを歩けは良い感じ。
雪渓の上は決して歩けない状態ですね。

登山者の皆さん思い思いのマイルートで登っていましたが、前の人に付いていくだけだと行き止まりにお付き合いってなりかねないので、自分でルートを確認しながら登ります。

大雨の後は通行止めになるのは仕方ない感じですね。

背景は鳳凰山?南アルプスはあまり来ないので山の名前が分かりません。

歩きにくい丸太梯子を越えると八本歯のコルに着くはず。
この歩きにくい丸太梯子はこれでもかと続くので、ストックはリュックに付けて手をフリーにしておくのが良いでしょう。
■11:18 八本歯のコルに到着して大休止

ここからは北岳山頂・北岳山荘・間岳と書いてある方向に進みます。

ここからは北岳南東斜面をトラバースして標高を下げるので1時間もあれば行けそうに見えるのですが...

■12:08 北岳山頂とトラバース道との分岐を通過。

トラバース道は北岳南側の急斜面に付けられていますが、この道がなければ北岳山頂を経由しないと間ノ岳に行けないんですね。
ここまでは池山吊尾根上端の登りが少しありました。

この辺りは見下ろすと結構怖かったです。
目指す北岳山荘はまだまだ小さくしか見えません。
■12:30 北岳山荘に到着。
チェックインして、昼食(今回はラ王とお握りの炭水化物スペシャル)を食べながら間ノ岳に向かうかどうか同行のK氏と最終確認。
登りのコースタイムの1時間40分で到着できなければその時点で引き返すと撤退ルールを合意、安全第一でいきましょう。
■14:00 北岳山荘を間ノ岳へ向けて出発

でも写真ばかり撮っていると、撤退ルールに引っかかるかもしれないので、撮影は少なめ。
小ピークに立つ標柱が動いてる!と思ったら人でした。
■14:35 中白峰山頂(標高:3055m)に到着。

コースタイムより早いので安心してザックを下ろして5分だけ休憩。
中白峰手前から間ノ岳を越え農鳥岳手前までは、標高3000m以上が続くという点で日本一長い稜線なんだそうです。

なんですが、この辺りから雲が湧き、風が強まり、気温が急下降。
雷が来そうだったら即退散と撤退ルールを追加して先に進みます。

不要な荷物は山荘に置いてきているのでリュックは軽いのですが、空気の薄さが少し効いているような。
■15:38 間ノ岳山頂(標高:3189m)に撤退ルールに2分の余裕を持って無事到着。

Kさん、よく頑張りました。
北岳山荘からここまで登山道に危険個所は全く無く、とても歩きやすい稜線でした。
いつか農鳥岳まで行ってみたいと思わせる素晴らしさ。

標高3000mの風吹き付ける稜線にしがみ付いている草たちの紅葉。
帰路は沢山写真撮らせてもらいました。


写真ばっかり撮っていてなかなか進まない私に、K氏の機嫌が悪くなりつつあるのも気になる。
きっと、腹が減ってきたのであろう。
■17:20 北岳山荘に帰着

この日は平日なのでゆっくり使わせてもらえました。
たっぷり歩いて担ぎ上げてきた日本酒もおいしくいただいて、20:00の消灯時間とともに爆睡に突入。
部屋は9人のスペースに5人しか居らず、広々と使わせてもらいました。
大樺沢から八本歯のコル、北岳トラバースのコースは、樹林帯、沢の大きな岩歩き、小さな渡渉、梯子の急登、露岩地帯と変化に富んだ、とても素晴らしいコースでした。
お花畑の時期ではなかったので高山植物は楽しめませんでしたが、とても気持ち良い初日でした。
■北岳山荘からの写真はこちら
■2日目北岳の日記はこちら